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映画「汽車はふたたび故郷へ」
ややネタバレあり
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神保町・岩波ホールにて上映中なので、観て来ました。「汽車はふたたび故郷へ」。
グルジア出身の監督、オタール・イオセリアーニの半自伝的作品だそうです。


旧ソ連時代のグルジア(グルジア政府は日本に対して”グルジア”表記の訂正を求めているようですが・・・)においては、映画作りもままならない。
若手監督のニコ(監督の実の孫が演じてます)も、自作映画の大部分を検閲でカットされてばかりで、更には上映禁止に。
「ここでは自分の撮りたい映画が撮れない!!」と自由の国フランスへ亡命するものの、今度のフランスでは商業性を求められ、売れない映画は作らせてもらえず・・。

そんな中でも己を強く持ち、誰にも媚びず、信念を貫いた一人の若者の姿を描いたということです。

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幼い頃の思い出は、ずいぶんな悪ガキっぷり。
煙草、飲酒、窃盗(ちゃんと返しに行ってたけど)、喧嘩、遅刻、無賃乗車(貨車に隠れ乗り)・・と枚挙に暇がない。
それが「自由」だということなら、それってちょっとどうなのよ??と、首を傾げてしまいますが。

作中では老いも若きも男も女も煙草煙草煙草・・・ものすごい消費量。
灰皿もないようだし、あまり見ていて気分の良いものではなかったです(><)
反対に、愛煙家は見てたら吸いたくなっちゃうんだろうなぁ。

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成人してから映画監督になったものの、プロデューサーと衝突したり、警察にしょっ引かれたりしても全くメゲナイ主人公。
チラシには「口笛ふいて」と書かれてますが、そんなに楽観的な感じでもなく・・・。
飄々とはしていますが、決して明るく楽しいという印象は受けませんでした。

邦題になっている「汽車」も一度しか乗ってるとこは出なかったし。
(原題「Chantrapas」とは「歌わない子」=一種の「異端児」というような意味らしい)

一番謎だったのは、あの作風(劇中劇)のどこに魅力があるのか??という点。
よくプロデューサーがついたな・・・とさえ思ってしまう(;^^)

そして結構生意気な主人公・・・あまり同情もできませんでした。


どこどこまでも淡々と物語が進み、いつか山場が来るのでは・・と期待していましたが常に平常心のまま終わりました。
ところどころにユーモラスな演出が仕掛けてあったので、飽きはしませんでしたが。

衝撃のラスト、あれは「新しい世界」を探しに行ったということ?
連れて行かれたのではなく、自分から付いて行った、という雰囲気。
池を見つめるおじいちゃんは、まるでそれを知っているかのような・・・。
観終わった後、不思議な感覚に陥りました。

汽車はふたたび故郷へ 公式サイト

岩波ホール 公式HP (200円引きのWEBクーポンあり)


グルジア、というと昔大阪に住んでた頃によくスーパーで買って食べていた、第一パンが作ってた「黒海沿岸グルジア地方のパン ノーヴィラバシュ」が大好きでした。
玉子も牛乳も不使用のシンプルな白パン。あれ、美味しかったなぁ。
by manic-friday | 2012-02-29 02:27 | ★映画 | Comments(0)
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